フォークリフトの免許(資格)を持っていると働ける仕事の幅が広がり、キャリアアップに繋がります。これからフォークリフトの免許を取得したいと考えているなら、免許取得までの道のりについて知っておきましょう。
ここでは、フォークリフトの免許取得のための「講習内容(学科・実技)」「講習にかかる期間や時間」「免許の種類」についてわかりやすく解説していきます。
■フォークリフトの学科講習の内容とは?
フォークリフトの免許は、4つの学科講習と2つの技能講習からなる「フォークリフト運転技能講習」を修了し、それぞれの試験に合格することで取得できます。まずは、学科講習の内容から見ていきましょう。
◇フォークリフト本体の構造・取り扱い方法
講習の所要時間……4時間
フォークリフトが走行する仕組みや操縦方法、警報器の扱い方など、走行に関係する装置の構造や基本的な取り扱い方法を学びます。主な講習内容は次のとおりです。
- 原動機(エンジンもしくはバッテリー)
- 動力伝達装置(ギア、アクセル)
- 走行装置(タイヤ)
- かじ取り装置(ハンドル)
- 制動装置(ブレーキ)
- 方向指示器(ウインカー)
- 警報装置(クラクション)
◇フォークリフトの荷役の構造・取り扱い方法
講習の所要時間……4時間
フォークリフトの要となる荷役装置の構造や取り扱い方法を学びます。フォークリフトの荷役装置には2本のツメ状の「フォーク」のほか、棒状の「ラム」や、バケツ状の「パケット」など異なるアタッチメントもあります。運ぶ荷物の形状に合わせて適したアタッチメントを選ばなければいけません。主な講習内容は次のとおりです。
- 荷役装置
- 油圧装置(安全弁を含む)
- ヘッドガード
- バックレスト
- ラム
- パケット
◇フォークリフトの運転に必要な力学
講習の所要時間……2時間
フォークリフトを走行させるうえで知っておくべき力学を学びます。主な講習内容は次のとおりです。
- 力の合成
- 力の分解
- 力のつり合い
- 力のモーメント
- 重力
- 重心及び物の安定
- 速度及び加速度加重
- 応力
- 材料の強さ
◇関係法令
講習の所要時間……1時間
フォークリフトを操縦するような労働に関係する法律や条令、条項について学びます。主な法律は「労働安全衛生法」で、これは「労働者の安全と健康」を守るための法律です。主な講習内容は次のとおりです。
- 労働安全衛生法
- 労働安全衛生法施行令(昭和47年法令第318号)及び労働安全衛生規則中の関係条項
■フォークリフト実技講習の内容とは?
次は、フォークリフトの2つの実技講習について、実際の体験談も交えて紹介します。
◇フォークリフトの走行操作
講習の所要時間……20時間
走行操作では、決められたコース内で基本走行と応用走行を学びます。学科講習で学んだ取り扱い方法を実践で活かせるチャンスですが、実技講習では何より「安全確認」を重要視されます。フォークリフトの搭乗前、走行後は「安全確認ができているか」を教官から厳しくチェック・指導されたという方も大勢いるようです。
◇フォークリフトの荷役操作
講習の所要時間……4時間
フォークの抜き差しや荷物の配列、積み重ねなど、荷役装置の基本操作について学びます。荷役操作の実技講習では搭乗前の安全確認のほか、荷物の安全確認や停止時のサイドブレーキなど、確認事項が増えます。
単純な走行だけでなくフォークを動かすレバー操作なども加わるため、「正しく操作しながら確認事項を全て声出し(指差し)確認できるか」がポイントです。また、実技講習で不備があった場合、講習後に補習で呼び出されるケースもあるようです。
■フォークリフト講習を受講する時間と日数
次に、フォークリフト講習の受講にかかる時間や日数について見ていきましょう。
通常、フォークリフトの教習では計35時間の講習が必要です。一般的には次のような日程で学科講習と実技講習を受講し、フォークリフト免許取得となります。
日程 |
講習内容 |
1日目 |
学科講習(11時間) 学科テスト |
2日目 |
実技講習(8時間)
|
3日目 |
実技講習(8時間)
|
4日目~5日目 |
実技講習(8時間) 実技テスト フォークリフト運転技能講習修了証発行 |
※講習日程は教習を受講する会場やご自身が所持する運転免許証の種類によっても異なります。
◇フォークリフトの講習日数は所持している運転免許証で異なる(大型、普通など)
フォークリフトの講習は、取得している運転免許や経験によって免除できるものもあります。そのため、各条件により以下のように講習時間が異なります。
免許/経験の種類 |
免除できる講習 |
講習時間や日数 |
大型特殊自動車免許 |
・学科4時間(フォークリフト本体の構造・取り扱い方法) ・実技20時間(走行操作) |
11時間 (平均日数2日) |
普通・大型免許及び1t未満のフォークリフト経験が3ヵ月以上 |
・学科4時間(フォークリフト本体の構造・取り扱い方法) ・実技20時間(走行操作) |
11時間 (平均日数2日) |
免許なし及び1t未満のフォークリフト経験が6ヵ月以上 |
・実技20時間(走行操作) |
15時間 (平均日数5日) |
普通自動車免許 |
・学科4時間(フォークリフト本体の構造・取り扱い方法) |
31時間 (平均日数5日) |
免許及びフォークリフト経験なし |
免除なし |
35時間 (平均日数5日) |
◇受講できる日数や曜日によって幅がある
このようにフォークリフトの免許は早くて2日、未経験の方でも5日で取得が可能です。ただし、仕事の都合などで「平日しか教習を受けられない」「土日しか教習を受けられない」という方も大勢いるでしょう。
この場合、週を跨いで教習を受けることになるためフォークリフト免許取得にかかる期間は長くなります。たとえば、土日のみで合計5日間の教習を受ける方の場合、免許取得まで最低3週間の期間が必要です。
(例)
第1週
3月2日(土)……教習1日目
3月3日(日)……教習2日目
第2週
3月9日(土)……教習3日目
3月10日(日)……教習4日目
第3週
3月16日(土)……教習5日目、フォークリフト免許取得
■フォークリフト運転技能講習とは?
「フォークリフト運転技能講習」とは、一般的に言われているフォークリフト免許の正式名称です。フォークリフト運転技能講習を修了し晴れて免許を取得した際は、「フォークリフト運転技能講習修了証」が発行され、フォークリフトの規模にかかわらず勤務先で運転可能となります。
しかし、倉庫内作業や工場勤務などで「フォークリフトの免許を持っていないのに走行している人」を見かけたことはありませんか?実は1t未満のフォークリフトに限り、各事業者の特別教育を受けることで運転が許可されています。次で詳しく見ていきましょう。
◇フォークリフトの免許は2種類ある
フォークリフトの免許には、ここまで解説してきた「運転技能講習」と「特別教育」の2種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
免許の名称 |
運転可能なフォークリフトの規模 |
証明書交付 |
教習機関 |
フォークリフト運転技能講習 |
1t以上 |
厚生労働大臣が指定する機関 |
都道府県労働局長登録教習機関 |
フォークリフトの運転の業務に係る特別教育 |
1t未満 |
事業者 |
事業者 |
つまり、1t未満のフォークリフトなら運転技能講習を受けなくても運転できる可能性があります。特別教育の有無は事業者によって異なるため、求人応募前に確認しましょう。
◇運転技能講習と特別講習の違い(学科講習)
運転技能講習で学ぶ4つの学科講習は、特別教育にも含まれています。ただし、講習の所要時間は次のように異なります。
学科講習の内容 |
運転技能講習の所要時間 |
特別教育の所要時間 |
本体の構造・取り扱い方法 |
4時間 |
2時間 |
荷役の構造・取り扱い方法 |
4時間 |
2時間 |
運転に必要な力学 |
2時間 |
1時間 |
関係法令 |
1時間 |
1時間 |
計 |
11時間 |
6時間 |
◇運転技能講習と特別教育の違い(実技講習)
学科講習と同様に、運転技能講習で学ぶ2つの実技講習は特別教育にも含まれています。所要時間の違いは以下のとおりです。
実技講習の内容 |
運転技能講習の所要時間 |
特別教育の所要時間 |
走行の操作 |
20時間 |
4時間 |
荷役の操作 |
4時間 |
2時間 |
計 |
24時間 |
6時間 |
事業者の特別教育を受ける場合、学科・実技合わせて12時間の講習で1t未満のフォークリフトを運転できるようになります。フォークリフト免許の取得を検討している方は、ご自身の都合や操縦したいフォークリフトの規模に合った免許を取得しましょう。
■まとめ
フォークリフトの免許は必要な講習を受講し、合格することで取得できます。運転技術は慣れるまで難しいですが、免許を持っておくと仕事の幅が広がるため、取得する価値は十分にあります。ただし、受講日数(所要時間)は所持する運転免許証の内容によって異なるため、事前に確認してスケジュールを組んでおきましょう。
SGフィルダーのお仕事では「資格取得支援コース」を通して、フォークリフトの運転免許の取得支援が受けられます!
本コースでは講習費用の全額または一部が補助され、免許取得後より高収入なお仕事の紹介が可能。働きながらお得にフォークリフトの免許を取得するなら、この機会にSGフィルダーでお仕事を始めてみませんか?
この記事を読んだ人はこんな記事もオススメ