物を運ぶときに必ず必要なのが「梱包」の作業です。梱包された荷物をよく見かけることはあっても、実際のやり方についてはよくわからない人も多いでしょう。ここでは、梱包と包装の違いや正しい梱包のやり方、梱包資材や緩衝材、ダンボールの選び方などについてわかりやすくまとめています。
■梱包と包装の違いとは?
梱包と包装は「品物を包む」という意味ではどちらも同じですが、その目的が違います。以下でそれぞれの目的と特性について見てみましょう。
◇梱包とは?
梱包の「梱」には「縛ってまとめる」という意味があります。梱包は物などを縛ってまとめ、包むことを指します。一般的には「商品や製品を運びやすくする」「破損を防ぐ」といった目的で、資材や箱などを使って荷物にまとめる作業を梱包と呼びます。
◇包装とは?
包装の「装」には「よそおう」という意味があります。物を運ぶために包むというよりも、外側の見栄えを良くする目的で行います。運搬に苦労しない小さな物や軽い物を包む行為や、贈り物のラッピングなどがそれにあたります。
倉庫や物流系のアルバイトで行う作業は「梱包」にあたります。梱包では華やかに包む必要はありませんが、「運搬時の衝撃から品物を守る」という大切な役割があるのです。
■品物を守る適切な梱包のやり方
品物を衝撃から守るためには、適切な方法で梱包する必要があります。適切な梱包のやり方は以下の通りです。
◇物を詰め込む
まず、ダンボールなど梱包用の箱へ品物を詰めていきます。通常は品物の大きさに応じて梱包用の箱を選びますが、同じサイズの箱を使用する場合もあります。箱に対して品物が小さく、隙間ができる場合はできるだけ中央に置くのがポイントです。
◇隙間がある場合は緩衝材を入れる
品物と箱の間に余裕がある場合は、隙間の部分に緩衝材を入れていきます。できるだけ隙間なく梱包したほうが運搬効率は良くなりますが、詰め込み過ぎも破損の原因となるため注意が必要です。少し余裕を残して中央寄りに詰め込み、緩衝材は衝撃の大きい四角や底部に入れます。
◇テープは強度のある貼り方がベスト
品物を詰める箱には、底と開閉部にテープを貼ります。テープがはがれたり底が抜けたりしないよう、しっかりと貼っていきます。
強度を増すテープの貼り方としては、箱の縦と横に十字型に貼る『十時貼り』や、開閉部をH型に囲むように貼る『H貼り』などが一般的です。ちなみに、中心を一本で止める貼り方のことは『I貼り』と呼ばれます。
◇割れ物は緩衝材で一つずつ包む
ガラス瓶や陶器など、割れやすい物は一つひとつ個別に緩衝材で包んでから梱包します。複数本を梱包するなら、ラップで巻いて密着させておくと、品物同士がぶつかって割れるのを防げます。
■梱包に必要な梱包資材の選び方
梱包時に必要となる資材の選び方についても見てみましょう。
◇ダンボールの選び方
ダンボールの種類は意外に豊富で、サイズや厚みも実にさまざまです。重量のある物を梱包するときは、底が抜けたり破れたりしないように、強度のあるダンボールを選びます。
ダンボールの強度は厚みよりも、内部に挟まれた波型の「フルート」と呼ばれる芯材の数によって決まります。芯材の波の数が多いほど、ダンボールの強度は高くなります。
ダンボールのサイズは、品物が充分に入る大きさ、高さのある物を選ぶのがポイントです。
◇緩衝材の種類
緩衝材の種類には以下のようなものがあります。
- エアパッキン:いわゆる「プチプチ」と呼ばれる、ビニールの中に空気の入った緩衝材です。品物を包んだり、薄い隙間を埋めたり、幅広い利用が可能です。「エアピロー」と呼ばれる枕型のものは、梱包の隙間を埋めるために使われます。
- 紙製緩衝材:一般的には、大きな紙をくしゃっと丸めたものを使います。品物の形に合わせて使いやすく、コストも安いというメリットがあります。
- 合成樹脂(ポリスチレンなど):品物の形に合わせて加工されたものや板状のものもありますが、粒状のタイプもよく使われます。水に強く、つぶれにくいのが特徴です。
◇テープの選び方
梱包に使うテープにも、ビニールテープや布テープ、紙テープなどさまざまな種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
- ビニールテープ:重ね貼りできる。カッターが必要。中強度だが低コスト
- 布テープ:重ね貼りできる。手で切れる。強度は高いがコストは高め
- クラフトテープ:重ね貼り不可。手で切れる。強度は弱く低コスト
一般的な梱包には重ね貼りできるビニールテープを、重量のある物には布テープが多く使われます。クラフトテープは強度が弱く、重ね貼りができないため梱包にはあまり適しません。
■まとめ
梱包は包装とはことなる意味を持ち、適切な梱包のやり方によって品物を衝撃などから守ることができます。強度を高めるには、テープの貼り方や緩衝材の詰め方が大切です。また、梱包資材も適切なものを選ぶことで、より品物を安全に配送できるのです。
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