現職の離職や転職にあたり派遣社員を検討する際、社会保険の扱いについて気になる方は多いのではないでしょうか?社会保険は保険料を会社負担してもらえるお得な保証制度をいい、以下の5つの公的保険が含まれています。
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 介護保険
- 雇用保険
- 労働者災害補償保険(労災保険)
なかでも注目すべき保険は、健康保険。社会保険に加入できると、労働者にとって多くのメリットがあります。ここでは、派遣社員として働く場合の健康保険の加入条件、健康保険のさまざまな給付制度についてわかりやすく解説します。健康保険があることのメリットを知り、仕事選びに役立てましょう!
■派遣で健康保険に加入する条件とは?
派遣社員でも、一定の条件を満たすと健康保険に加入できます。
健康保険の加入条件について詳しく見ていきましょう。
◇雇用契約期間と勤務時間によっては加入できる
派遣社員として働く際、次の1~2のどちらかの条件に当てはまる場合は健康保険への加入義務があり、事業所(事業主)によって健康保険の加入手続きが行われます。
<健康保険に加入する条件1>
- 雇用契約期間が2ヵ月以上である
- 1ヵ月の所定労働日数が15日以上、1週間の所定労働時間が30時間以上(正社員の4分の3以上)である
<健康保険に加入する条件2>
- 1年以上の雇用見込みがある
- 1週間の所定労働時間が20時間以上である
- 1ヵ月の賃金が88,000円以上である
- 会社の従業員数が501人以上である(※)
※健康保険に加入する条件2は平成28年10月より改定された社会保険の適用条件です。
※平成29年4月1日より、労使における合意がある場合に限り、従業員数が500人に満たない場合でも健康保険の加入対象として認められるようになりました。
◇条件に満たない場合は国民健康保険に加入
健康保険に加入する条件を満たしていない派遣社員の場合、個人で国民健康保険加入の手続きを行う必要があります。国民健康保険の加入手続きは住民票のある市区町村役場で行います。
国民健康保険への加入手続きは勤めていた会社を離職してから14日以内に行う必要があります。派遣会社で健康保険に加入できないとわかったら、速やかに手続きの準備を行いましょう。
■健康保険の給付制度は何がある?
社会保険のなかでも利用するシーンが多いものに、健康保険と労災保険があります。それぞれの保険における給付制度について知っておきましょう。
◇健康保険で受給できる各給付制度
健康保険に加入することで受けられる給付制度には、次のようなものがあります。
療養の給付:
ケガや病気を理由に病院にかかる際に健康保険証を提示すると、3割負担で治療や診察を受けられる制度です。
限度額適用認定:
ケガや病気により高額な医療費が発生した場合、所得に応じた自己負担限度額が適用される制度です。
高額療養費:
ケガや病気により高額な医療費を支払った場合、自己負担限度額を超えた医療を後から払い戻してもらえる制度です。
傷病手当金:
病気やケガの療養のために仕事を休職する場合、それまでの給料に応じて一定の傷病手当金が支給される制度です。
療養費:
医療機関において、やむを得ない理由で健康保険証を提示できなかった場合(医療費を全額負担した場合)、療養費として後から医療費の払い戻しを受けられる制度です。
海外療養費:
海外旅行中や海外赴任中に病気やケガの診療を受けた場合、医療費の一部を払い戻してもらえる制度です。
参照:「病気やケガをしたとき」(全国健康保険協会)
◇仕事中や通勤途中の事故・ケガの治療は労災保険
派遣社員として働く場合、事業所によって労災保険に加入させられているため、次のようなトラブルがあった際に労災保険の給付を受けられます。
業務中の災害:
所定時間労働内や残業時間内の事業場内で業務上の負傷、疾病、障害または死亡を被ること
通勤中の災害:
通勤により負傷、疾病、障害または死亡を被ること
参照:「労災保険とは」(厚生労働省 東京労働局)
健康保険と労災保険の活用方法を知っておくと、ケガや病気など万が一のトラブルがあった際に金銭的な負担を軽減できます。
■退職や契約満了後に保険証を使いたい場合はどうする?
◇契約満了などで離職する際の健康保険の手続き
契約満了により離職する場合など、健康保険を喪失した場合は国民健康保険への切り替えが必要です。
<用意するもの>
- 本人確認書類
- 印鑑
- 年金手帳
- 退職日が確認できる書類(社会保険の資格喪失証明書、雇用保険の離職票など)
<国保への切り替え方法>
社会保険の喪失日(退職日の翌日)以降に市区町村役場の国民健康保険課で手続きを行います。国民年金に加入する場合は忘れずに年金課での手続きも行いましょう。
◇退職後でも健康保険を任意継続できる方法について
退職日から20日以内に申請を行うと、社会保険を継続することが可能です。任意継続を希望する場合は「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」を管轄の年金事務所に提出しましょう。扶養家族がいる場合は「健康保険被扶養者届」も併せて提出します。
社会保険を任意継続すると健康保険などの各種給付制度を引き続き利用でき、保険料は原則2年間変動することがありません。
■まとめ
派遣で働く場合の社会保険は労働時間と契約期間によって加入条件が異なりますが、法律改定で適用範囲が広がったことにより、雇用期間が短い派遣社員も社会保険に加入しやすくなりました。
転職や退職、契約満了を控えている方は、離職後に健康保険の切り替えを自分で行う必要があるため、国民健康保険や任意継続の方法を理解しておくと安心です。
SGフィルダーでは、勤務する場所が変わっても原則継続雇用となるため、アルバイトや正社員など、異なる雇用形態でも適用される社会保険制度に違いはありません。新たな働き先を探している方は保険制度の整ったSGフィルダーで、ご自身に合ったお仕事を見つけてみてはいかがでしょうか?
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