派遣でダブルワークはできる?掛け持ちの注意点や仕事の選び方を解説!

派遣でダブルワークはできる?掛け持ちの注意点や仕事の選び方を解説!

派遣のダブルワークは法律で禁止されておらず、派遣会社の就業規則で認められていれば始められます。

ただし、複数の勤務先の労働時間は通算されるため、割増賃金や確定申告の決まりを知っておくことが大切です。

この記事では、派遣でダブルワークをするときの注意点や税金の仕組み、掛け持ちに向いている仕事の選び方を解説します。

目次

派遣で働きながらダブルワークはできる?

ダブルワークとは、2つの勤務先で働いて収入を得ることを指します。派遣で働きながらほかの仕事を掛け持ちすることは、条件を満たせば可能です。

ここでは、法律上の扱い、就業規則の確認、派遣同士の掛け持ちという3つの視点から、その可否を見ていきましょう。

法律上ダブルワークは禁止されていない

ダブルワークを禁じる法律は、日本にはありません。厚生労働省は2018年に副業・兼業の促進に関するガイドラインを公表し、2022年にはその内容を改定しています。

このガイドラインから、副業や兼業に取り組む環境の整備が進められていることがわかります。

国としても、本業以外の仕事に就くことを後押しする姿勢を示しているといえるでしょう。

そのため、ダブルワークそのものが法律違反になるかを心配する必要はありません。

参考:副業・兼業|厚生労働省

派遣会社の就業規則の確認が必要

派遣社員は、働く現場である派遣先ではなく、雇用契約を結んでいる派遣会社に雇われています。

そのため、ダブルワークの可否を決めるのは、雇用主である派遣会社の就業規則です。

対応は会社ごとに分かれており、副業を認めている会社もあれば、事前の申請や届け出を求める会社もあります。

無断で掛け持ちを始めた場合は、規則違反として注意や処分の対象になりかねません。

こうした行き違いを避けるため、派遣登録時に受け取った書類には目を通しておきましょう。判断に迷う点があれば、担当者へ相談してから始めると確実です。

派遣同士の掛け持ちも可能

複数の派遣会社に登録して、派遣の仕事同士を組み合わせて働くこともできます。

会社ごとに扱う求人の職種や勤務地は異なるため、組み合わせることによって生活に合うシフトが作りやすくなる点が魅力です。

一方で、勤務先が増えるほど労働時間や税金の管理は複雑になります。

あとで説明する労働時間の通算や確定申告のルールを理解したうえで組み合わせましょう。

派遣でダブルワークをするメリット

ルールを守って働けば、ダブルワークは収入と経験の両面で得るものがあります。ここでは、代表的なメリットを3つ紹介します。

収入を増やせる

一番のメリットは、毎月の手取りが増えることです。

例えば時給1,200円の仕事に週2回、1回4時間入る場合、一週間で9,600円、月に4週働けば3万8,400円の収入になります。

収入源がひとつ増えれば、本業の残業が少なかった月の収入の落ち込みも軽減できます。

目標の金額から逆算して働く日数を決めれば、無理のない計画が立てられるでしょう。

幅広い仕事を経験できる

本業とは違う職種に挑戦できることも、掛け持ちならではの魅力です。

事務の仕事をしながら、ときどき体を動かす軽作業に入るといった働き方なら、頭の使い方が切り替わって気分転換にもなります。

こうして複数の現場を経験すると、自分に合う働き方の条件も具体的に見えてきます。

将来の転職や働き方の見直しを考える際に、実際に働いた実感をもとに判断できる点は大きな財産です。

空いた時間を有効に使える

派遣の仕事はシフトの融通が利きやすく、週数日や短時間の求人も多くあります。こうした求人を選べば、本業のない曜日や夜の数時間だけを掛け持ちに充てられます。

ただし、休息の時間まで削ってしまうと長続きしません。

一週間のうちどの曜日を休みにするかを先に決めて、残った日に仕事を入れるという順番で進めると安心です。

派遣でダブルワークをするときの注意点

掛け持ちには、ひとつの職場で働くときには生じない決まりや負担があります。ここでは、始める前に押さえておきたい3つの注意点を解説します。

週の労働時間が40時間を超えると割増賃金の対象になる

労働基準法では、労働時間は勤務先が異なる場合でも通算すると定められています。

法定労働時間は一日8時間・週40時間で、複数の勤務先の時間を合算してこれを超えた分は、25%以上の割増賃金の対象になります。

例えば本業で週35時間働いている方が、掛け持ち先で週8時間働く場合、合計は43時間です。この場合、40時間を超える3時間分が割増賃金の対象になります。

この割増賃金を支払うのは、原則として後から労働契約を結んだ勤務先です。

そのため、応募や契約の際には、すでにほかの仕事でどれだけ働いているかを正確に伝える必要があります。

無理のないスケジュールを組む

勤務先が2ヶ所になると、シフトの重複や移動時間の見落としといった管理上の失敗が起こりやすくなります。

予定はひとつのカレンダーにまとめ、勤務時間だけでなく行き帰りの移動時間も考慮してスケジュールをおさえておくと、詰め込みすぎを防げます。

また、睡眠を削って働き続けると、どちらの仕事も質が下がりかねません。

連続で勤務する日を作らない、週に一日は完全に休むといった自分なりのルールを決めておけば、負担を溜めずに続けられます。

本業に支障が出ないよう働く時間を調整する

ダブルワークは、本業の収入と生活の土台があってこそ成り立つ働き方です。

掛け持ちの疲れで本業に遅刻したり集中力を欠いたりすると、職場からの信頼を損ねてしまいます。

本業の繁忙期は掛け持ちのシフトを減らす、本業がある日の前夜は勤務を入れないなど、優先順位をはっきりさせることが欠かせません。

両立が難しいと感じたときは、勤務日数を早めに見直しましょう。

ダブルワークで必要になる手続き

掛け持ちを始めると、税金や保険の手続きの一部を自分で行うことになります。ここでは、年末調整と確定申告、住民税、社会保険の4点を順に解説します。

年末調整は1ヶ所でしか受けられない

年末調整は、主たる給与の支払者である1ヶ所でしか受けられません。

複数の勤務先から給与を受け取っている場合は、主に働いている勤務先へ扶養控除等申告書を提出し、そこで年末調整を受けるのが基本です。

もう一方の勤務先の給与は、この精算の対象に含まれません。そのため、税額の過不足は自分で精算することになり、その手続きが次に説明する確定申告にあたります。

副業の給与収入が年20万円を超えたら確定申告が必要

2ヶ所以上から給与を受け取っている方は、年末調整を受けなかった側の給与収入が年間20万円を超える場合に確定申告が必要です。

給与以外に副収入がある場合は、その所得と合わせた金額で20万円を超えるかどうかを判定します。

申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。

勤務先から受け取る源泉徴収票をもとに手続きを進めるため、届いたら保管しておきましょう。

この申告を怠ると、本来の税額に加えて加算税や延滞税を求められる場合があります。

住民税の申告は金額にかかわらず必要

所得税の確定申告が不要な20万円以下の収入であっても、住民税では申告が必要です。

住民税には20万円という基準は設けられていないため、掛け持ち分の収入は金額の大小にかかわらず市区町村へ申告することになります。

ただし、所得税の確定申告をした場合は、その内容が市区町村へ引き継がれます。

この場合は住民税を別途申告する必要はないため、何の手続きが必要か迷うときは、お住まいの市区町村の窓口で確認しましょう。

社会保険は労働時間などの条件で加入が決まる

健康保険や厚生年金に加入するかどうかは勤務先ごとに決まります。その勤務先での働き方が加入の条件を満たしているかどうかで、一社ずつ判定される仕組みです。

条件として関わるのは、週の所定労働時間や月額の賃金、勤務先の従業員数などです。

掛け持ちでも条件を満たせば加入の対象になります。

一方、雇用保険の扱いは異なります。原則として、主に賃金を受け取っている1ヶ所の勤務先でのみ加入する仕組みです。

加入の条件は制度の改正で変わることがあるため、詳しい扱いは勤務先や年金事務所へ確認しましょう。

ダブルワークに向いている仕事の選び方

掛け持ちを長く続けられるかどうかは、どの仕事を選ぶかで大きく変わります。ここでは、無理なく両立できる仕事を選ぶための3つの視点を紹介します。

シフトの融通が利く仕事を選ぶ

掛け持ち先に向いているのは、週1回や1日数時間から働ける、シフトの融通が利く仕事です。

特に本業の残業時間が月によって大きく異なる場合などは、曜日と時間が固定された掛け持ち先では繁忙期の調整が難しくなります。

希望の曜日や時間帯を申告して働ける職場であれば、本業が忙しい月は勤務を減らす相談もしやすくなります。

未経験から始めやすい仕事を選ぶ

限られた時間で働くなら、覚えることが少なく初日から手を動かせる仕事が向いています。

具体的には、倉庫内で棚から商品を集めるピッキングや、箱に詰める梱包、数量を確かめる検品といった軽作業が該当します。

いずれも決まった手順に沿って進むため、未経験からでも数日で流れをつかめる場合がほとんどです。

学歴や資格を問わない求人も多く、掛け持ち先としての間口が広い点も魅力です。

時間帯をずらして働ける仕事を選ぶ

日中に本業がある方は、夕方以降や夜間に働ける仕事を選ぶのがおすすめです。

倉庫や物流の現場では夜間にも出荷の作業が続くため、夕勤や夜勤の求人が多くあります。

さらに、22:00から翌日5:00までの勤務には、25%以上の深夜割増賃金が適用されます。同じ時間働く場合でも、受け取る金額は日中より多くなります。

ただし、夜勤を続けると睡眠の時間帯が不規則になりやすい点には注意が必要です。翌日に本業がない曜日を選んで入るなど、生活のリズムを保つ工夫もあわせて行いましょう。

派遣のダブルワークに関するよくある質問

最後に、掛け持ちを始める前に寄せられることの多い質問に回答します。

扶養内で働いていてもダブルワークはできますか?

扶養の範囲内で働いている方も、掛け持ちそのものは可能です。ただし、扶養にとどまれるかどうかは、すべての勤務先の収入を合算した金額で判断されます。基準となる金額は税制や社会保険の改正で変わるため、始める前に必ず公的な情報を確認するようにしましょう。

派遣会社にダブルワークを伝える必要はありますか?

就業規則で申請や届け出を求めている派遣会社には、事前に伝える必要があります。また、割増賃金の計算にはすべての勤務先の労働時間の通算が関わる点も見落とせません。規則上の義務がない場合でも、掛け持ちの状況は伝えておくほうが手続きの行き違いを防げます。

同じ派遣会社で複数の仕事を掛け持ちできますか?

扱いは派遣会社ごとに異なります。ひとつの契約の中で勤務日を増やせる場合もあれば、別の契約として扱う場合もあるため、まずは担当者へ希望の働き方を伝えるところから始めましょう。同じ会社で管理してもらえれば、労働時間や給与の手続きもまとめられます。

雇用保険は複数の勤務先で加入できますか?

雇用保険は原則として、主に賃金を受け取っている1ヶ所の勤務先でのみ加入します。複数の勤務先で条件を満たしていても、同時に二重で加入することは基本的にできません。どちらで加入するかがわからない場合は、勤務先の担当者へ確認しましょう。

ダブルワークをすると本業の会社に知られますか?

住民税の金額の変化などをきっかけに、収入が増えたことを本業の勤務先が把握する場合があります。就業規則で認められた範囲の掛け持ちであれば、知られても問題はありません。規則を確認しないまま始めることだけは避け、必要な申請を済ませたうえで働きましょう。

無理のないダブルワークで収入を増やそう

派遣のダブルワークは、就業規則の確認と体調の管理を押さえておけば、収入と経験の両方を積み上げられる働き方です。応募に進む前に、次の項目を確認しておきましょう。

  • 派遣会社の就業規則でダブルワークの可否を確認したか
  • 週の労働時間が40時間を超えないシフトを組めているか
  • 確定申告や住民税の申告が必要かを把握したか
  • 休みをしっかり確保できる勤務日数になっているか
  • 本業に支障が出たときにシフトを調整できるか

準備を整えてから始めれば、掛け持ちの負担は小さくなります。

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就業規則の確認を済ませたら、まずは希望の時間帯で働ける求人を探すところから始めてみてください。

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