バイトの掛け持ちはOK?メリット・注意点とシフトの組み方を解説

バイトの掛け持ちは、就業規則・扶養・税金の3点を事前に確認すれば、ほとんどの場合は問題なく始められます。
この記事では、バイトを掛け持ちするメリットから就業規則、税金、シフト管理方法まで、始める前に知っておきたいことをすべて解説します。
バイト掛け持ちをしている人の実態
バイトの掛け持ちは一部の人だけが行う特別な働き方ではありません。ここでは、掛け持ちの実態と主な目的について解説します。
学生から主婦(夫)・社会人まで幅広い層が掛け持ちしている
ある調査※では、大学生の4人に1人がバイトを掛け持ちしているというデータがあります。
学費や生活費の補填、交際費の確保を目的とする学生が多く、複数の職場を掛け持ちすることは大学生の間では珍しいことではありません。
他にも、フリーターが収入を補うために別のバイトを週数日だけ追加するケース、主婦(夫)が家事の合間に2ヵ所の職場を掛け持ちするケースなど、さまざまなライフスタイルの方に広がっています。
※<学生版>求職者の動向・意識調査2023 Vol.2「学生のアルバイト事情の今が分かる」 | JBRC ジョブズリサーチセンター
掛け持ちをする目的は主に3つ
掛け持ちをする理由はさまざまですが、主に以下の3つに分けられます。
- 収入の安定・増加
月収をアップさせたい、目標金額に向けて短期間で稼ぎたい - スキル習得
異なる職種の経験を積んで就職活動や将来のキャリアに役立てたい - 時間の有効活用
メインのバイトのシフトが少ない日や空き時間を無駄にしたくない
なかでも「収入の安定・増加」を目的とする方が多く、複数の収入源を持つことでリスクを分散しようとする考え方も広まっています。
バイトを掛け持ちするメリット
掛け持ちには複数のメリットがあります。ここでは、収入面とスキル面の2つのメリットを解説します。
収入を増やしながらリスクを分散できる
1ヶ所だけで働いていると、急なシフト削減があったとき収入が大きく落ち込むことがあります。
掛け持ちをすることで片方のシフトが減ってももう片方でカバーできるため、月収が安定しやすくなります。
1ヶ所に依存しない働き方は、収入のリスク分散としても有効な手段です。
さらに、プライベートが忙しい時期はサブバイトのシフトを減らすなど、ライフスタイルに合わせた柔軟な調整もできます。
特に倉庫や工場などの軽作業バイトは短期や日払いに対応した求人が多く、メインバイトのシフトの空きに合わせて入れやすいという特徴があります。
スキルや経験の幅が広がる
2ヶ所の職場で働くことで、1ヶ所では得られない多様な経験を積めます。
例えば、倉庫での仕分け作業と接客系バイトを組み合わせることで、体力とコミュニケーションスキルを同時に磨くことができます。
また、職種をまたいで人脈が広がることも見逃せません。将来の就職や転職において、思いがけないつながりが役に立つこともあります。
異なる業種のルールや雰囲気を知っておくことは、社会人になった後にも活きてきます。
掛け持ちバイトの労働時間ルール
掛け持ちをするうえで、法律上の労働時間のルールを知っておくことは非常に重要です。ここでは、通算規定の仕組みと時間外労働の扱い、同日勤務のリスクについて解説します。
2ヶ所の労働時間は合算して計算される
労働基準法では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と定められています。
これは、2ヶ所のバイト先の労働時間を合計して1日8時間・週40時間の上限を判断するということを意味します。
例えば、A社で1日5時間働いた日にB社でさらに4時間働いた場合、合計9時間となり、上限の8時間を1時間超過したことになります。
時間外労働になったとき割増賃金を支払うのは後から雇った側
2ヶ所の合計が1日8時間を超えた場合、時間外労働として割増賃金(通常の25%増以上)が発生します。
この場合、後から雇用契約を結んだバイト先が割増賃金を支払う義務を負います。
ただし、現実にはアルバイトが複数の職場を掛け持ちしていることを双方の雇用主が把握していないケースも多くあります。
法律上は通算されるという原則を理解しつつ、シフトの組み方で自分自身が無理をしないよう管理することが現実的な対応です。
同日に2ヶ所でシフトを入れるリスク
同じ日に2ヶ所のバイトを入れることは、労働時間の超過リスクを高めるだけでなく、体への負担も大きくなります。
移動時間も含めると休憩が十分に取れないまま長時間働くことになり、ミスや体調不良につながりやすくなります。
同日勤務をする際は、2ヶ所の合計が8時間を超えないように事前に確認してください。体調管理のためにも、週に1日は完全な休養日を確保することをおすすめします。
掛け持ちを始める前に確認すること
メリットや労働時間のルールを理解したうえで、実際に始める前に確認しておくべきことがあります。
ここでは、就業規則や扶養・社会保険について解説します。
就業規則で掛け持ちが禁止されていないか確認する
バイト先によっては、就業規則に「他の会社での就業禁止」を定めているところがあります。これに違反すると、最悪の場合、解雇などの処分を受けるリスクがあります。
求人票や雇用契約書に「Wワーク可」「副業OK」などの記載があれば問題ありません。記載がない場合は、バイトを始める前に職場の担当者へ直接確認しておきましょう。
また、就業規則で禁止されていなくても、職場の雰囲気によっては掛け持ちを知られることで人間関係に影響が出る場合があります。
不安な場合は、バイト先の担当者に相談してから始めるのが無難です。
扶養・社会保険の上限に余裕があるか確認する
2ヶ所から給与をもらうと、収入が増えるぶん扶養や社会保険の上限に早く到達します。
特に学生や主婦(夫)の方は、親や配偶者の扶養に入っているケースが多いため、年収の上限には注意が必要です。
| 年収の目安 | 発生する影響 |
|---|---|
| 160万円超 | 自分に所得税がかかる |
| 130万円超 | 親・配偶者の社会保険の扶養から外れる |
| 123万円超 | 扶養控除または配偶者控除の対象外になる(ただし配偶者の場合は160万円以下なら配偶者特別控除が適用) |
| 106万円超(条件あり) | 勤務先の社会保険に加入義務が発生する場合がある |
106万円の壁は、
- 週20時間以上
- 2カ月超の雇用見込み
- 月収88,000円以上
- 企業規模51人以上
という4つの条件をすべて満たす場合に社会保険への加入義務が生じます。
掛け持ちを始める際は、2ヶ所の合計収入が年間でいくらになるかをあらかじめ計算しておくことが大切です。
制度は改正される場合があるため、最新情報は国税庁の公式サイトをご確認ください。
掛け持ちするバイトの選び方
確認すべき点が整理できたら、実際にどのバイトを掛け持ちするかを選ぶ段階です。
ここでは、メインバイトとサブバイトの役割分担、職種と時間帯のバランス、向いている仕事の特徴について解説します。
メインとサブに役割を分ける
2ヶ所のバイトを同等に扱おうとすると、シフトの優先順位で迷いやすくなります。
最初から「メインバイト」と「サブバイト」に役割を分けておくと、スケジュール管理がしやすくなります。
- メインバイト
週3〜5日、安定したシフトが入る職場 - サブバイト
週1〜2日、シフト変動に対応しやすい職場(単発・自由シフト制など)
サブバイトは「メインのシフトに空きができたときだけ入れる」という使い方もできます。
収入を増やしたいときだけシフトを入れる予備の働き口と考えることで、無理なく続けやすい掛け持ちスタイルが作れます。
職種と時間帯のバランスで体力を温存する
2ヶ所ともに体力を使う仕事を選ぶと、消耗が激しくなり長続きしにくくなります。
倉庫での仕分け作業(力仕事)とデータ入力・事務補助(座り仕事)のように、体への負担が異なる仕事を組み合わせることが、掛け持ちを続けるコツとなります。
時間帯も工夫することで無理のない働き方ができます。日中と夕方以降など、シフトの時間帯をずらすことで、移動時間や休憩をしっかり確保できます。
詰め込みすぎないスケジュールを心がけてください。
掛け持ちに向いている仕事の特徴
サブバイトを選ぶ際は、自由シフト制・単発・日雇い対応の求人が特に向いています。
「今週は3日入れる、来週は1日だけ」という柔軟な調整ができるため、メインバイトのシフトが変動しても対応しやすくなります。
週1〜2日から入れる求人を選ぶことも重要です。最初から週3日以上のコミットを求められる職場では、シフトの融通が利かずにメインバイトとの調整が難しくなることがあります。
掛け持ちを検討する際は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 自由シフト制で週1〜2日から入れる求人か
- 単発に対応しており都度エントリーできる求人か
- 日払い・週払い対応でまとまった収入を早めに得やすい求人か
- 倉庫・軽作業など時間帯が選びやすい職種か
掛け持ちの税金と年末調整のしくみ
働く環境が整ったら、税金のしくみも押さえておくことが大切です。ここでは、年末調整と確定申告の2点について解説します。
年末調整ができるのはメインのバイト先1ヶ所だけ
年末調整とは、1月〜12月に支払われた給与に対して源泉徴収された所得税の過不足を精算する手続きです。
2ヶ所以上から給与をもらっている場合でも、年末調整ができるのは「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した1ヶ所のみです。
通常はメインのバイト先に申告書を提出します。サブのバイト先は年末調整の対象外となるため、サブバイトの収入は別途対応が必要です。
メインのバイト先では年末調整を受け、12月または1月の給与に還付金が上乗せされることが多いです。
確定申告が必要になるケースを確認する
サブバイトからの年収が20万円を超える場合は、自分で確定申告を行う必要があります。
申告し忘れると、本来の税額に無申告加算税が上乗せされる可能性があるため注意が必要です。
確定申告は毎年2月16日〜3月15日ごろに行います。給与明細を月ごとにきちんと保管しておくと、申告の際に手間がかかりません。
e-Taxを利用すれば自宅から手続きできるため、税務署に行く時間が取れない方にも便利です。

シフトと体調を無理なく管理するコツ
掛け持ちを長続きさせるうえで最も重要なのが、シフトと体調のコントロールです。
収入を最大化しようとシフトを詰め込みすぎると、疲労が蓄積して両方のバイトに支障が出ることがあります。
週に1日は完全な休養日を設けるなど、掛け持ちを始める前からルールを決めておきましょう。
シフト管理にはスマートフォンのカレンダーアプリが便利です。2ヶ所のシフトを色分けして登録しておくと、予定の重複を一目で確認できます。
体調が優れないときは、無理をせず早めに相談することが大切です。急な欠勤を繰り返すと信頼を失い、シフトに入りにくくなることもあります。
自分の限界を把握しながら無理のない範囲で続けることが、長期的に収入を安定させる近道です。

よくある質問
以下に、バイトの掛け持ちに関するよくある質問をまとめました。
Q. 掛け持ちは職場にバレる?
年末調整や住民税の通知を通じて、メインのバイト先に他の収入があることが伝わる可能性があります。
就業規則で副業やWワークが禁止されている場合は、規則を守り掛け持ちをしないようにしましょう。
Q. 確定申告は必ず必要?
年末調整されなかったサブバイトの年収が20万円を超える場合は確定申告が必要です。
20万円以下であれば原則不要ですが、住民税の申告が必要になる場合があるため、お住まいの市区町村に確認しておくと安心です。
Q. 社会保険への加入が必要になるのはどんなとき?
1ヶ所のバイト先で①週20時間以上②月収88,000円以上③2カ月超の雇用見込み④企業規模51人以上、の条件をすべて満たす場合、そのバイト先の社会保険に加入する義務が生じます。
社会保険の加入条件は法改正により変更される場合があります。最新の情報は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。
掛け持ちを始める前に確認しておきたい4つのポイント
掛け持ちでバイトを始める前に以下の項目をチェックしておくと、トラブルなくスタートできます。
- バイト先の就業規則で掛け持ち(副業)が禁止されていないか確認した
- 2ヶ所の合計年収が扶養・社会保険の上限を超えないか計算した
- 2ヶ所の合計労働時間が週40時間を超えないようシフトを考慮した
- 年末調整されなかったサブバイトの年収が20万円を超える場合は確定申告が必要なことを把握した
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